bey’s blog

皆にブログを始めてほしすぎて自分がブログを始めました。

アンチナタリズムと私

 この記事、アンチナタリストのこともアンチナタリズムなんて考えたこともないって人のことも傷つけそうな"私は最低のエゴイストです"って話だからめっちゃ興味ある人しか読まないで……

 アンチナタリズムって皆さんにとって馴染みのある概念でしょうか?反出生主義ともいう。この方が字面でわかりやすいね。

Wikipediaから説明を引っ張ってくるぞ。

反出生主義(はんしゅっしょうしゅぎ、英: Antinatalism)とは、子供を持つ事に対して否定的な意見を持つ哲学的な立場である。アルトゥル・ショーペンハウアーやエミール・シオラン、デイヴィッド・ベネターらが反出生主義の擁護者として知られている。

反出生主義 - Wikipedia

私は以前生まれてきて良かったこと - bey’s blogでも書いたように

 私は「生まれてこなければよかった」と思っている人間です。(中略)

 別に生まれてこなければよかったとは言っても恵まれない人生を送ってきたと思っているとか人間が嫌いだとか世界が嫌いだとか、そういう訳ではないです。

 生きている限り必ずいつかは死ぬし、死んで自意識が無くなったらそれは私にとっては生きる中で得たものの全てを失うことと等しい。何一つ"永遠に得る"ことができないのに生きる中には辛いことも苦しいこともある。 私は別に"生まれたいです"と契約書にサインして生まれてきた訳でもないんだし、生まれた私に責任は無いはずなのに気付いたときには得るものがないのに"生きなくては"と思っている。 どうせ何も得られないなら生まれないで、何1つ感じずにいられた方が良かった。 みたいな感じ。

という感じで生きています。

多分最初にそういうことを思ったのは幼稚園児とかの頃、死についての絵本を読んだ辺りからだと思うんだけど、詳しくは覚えていない。でも少なくとも"生まれてこなければよかった"と思う前の人生より思った後の人生の方が全然長いくらいには長い間こういうことを思ってる。

 

 そしてこういう考え方とアンチナタリズムの一部には共通性があると思う。でも"アンチナタリズム"という言葉があり、いろいろな人によって学問的にもこねくり回されている概念だということを知ったのはつい最近です。

自分だけが特別そういう思いを抱えている、みたいなことを思っていたというわけではなく、そういうことを考えている人が沢山いるのは知っていたけど、それに学問的な名前が与えられているということを知らなかったという話ね。

 

ただ、一口にアンチナタリズムといっても「人口過剰による問題とかもあるんだし"無制限に"子供をばかすか産むべきではない」みたいな考えもあるようだし「そもそも産まれることに合意していない知的生命体をこの世に生み出すということに対してもっと責任感を持つべきだ」みたいな話もあるようだし私は全然専門的に学んでいないからアンチナタリズムの全てを語ることはできないんですけれど。

 

 面白トークの一環としてなんで私がアンチナタリズムを知ったかの話をちょっとしていい?

 

ある知人との会話が私がきちんとアンチナタリズムというものを認識したきっかけでした。

その知人というのは私の親しい友人(Aとする)の親しい友人(=知人=Bとする)で同窓生、何度か話したことはあるけど顔を突き合わせてまともに喋ったことはない、という人だった。

そのBさんが私ともAさんとも親しい友人(Dとする、彼女も我々と同窓生)と初めて2人でご飯を食べに行って趣味についてのお喋りをした、というのをSNS上で知って、"もし良かったら私とも会ってほしい"と言ったのをOKしてくれたから会うことが決まりました。

私はBさんについて殆ど"綺麗でちゃんとした人"ということしか知らなくて、自分で会いたいとか言ったけど滅茶苦茶緊張していた。

私、可能なら全人類と1回は喋ってみたいと思っているから私にとっては"一緒に出掛けたことがない人と出掛ける"というのはそれだけでとっても楽しみなイベントになるんですけど、彼女に対して話せる面白トーク的なものはひとつも思い浮かんでなかったし、本当恐れ知らずで向こう見ずだった。

結果的に彼女とは割と話の感覚が合って、もういい加減"友人"と呼んでもよいだろう関係になれたから過去の私の無謀さにはとても感謝しているんだけれども。

 

話が前後しましたが、その初めてBさんに会った日、ただ"趣味の話が聞きたい"ということで会ったのに、話の流れで"生まれてこなければ良かったよね"という話になったんだよ。

 

これ滅茶苦茶面白くない?

普通初めてまともに喋る人と喋ってて生まれてこなければ良かったよね、なんて話になることある?しかもその話題で結構盛り上がったんだよ??(後にBさんが近くに座っていた男女2人組も店員も多分ちょっとビビってたって言ってて滅茶苦茶笑った、そりゃビビるよな)

なんというか、出会った人としょっぱなそういう話になりがちな人もいるのかもしれないけど、少なくとも私の周囲では"同窓の友人の友人に会う"なんてシチュエーションで"生まれてこなければ良かった"という発想とその理由についての話で盛り上がることなんてなかったから忘れられない思い出です。

しかもその"生まれてこなければよかった"という言葉に込めている意味も前述した私の思いと近かったので。

そこで彼女に"アンチナタリズム"という考え方があって、と紹介されて初めてまともにその言葉の意味とかを調べた。

 

そしてその考え方、私の考え方に近いかもなって思っていたんだけど、最近になって"私別にアンチナタリストではないな"と思うようになったんですよね。ここからまた本題に戻る。

 

 私は生まれてこなければよかったと思っているし「子供ほしい、可愛いから」みたいなことを言われるとビビっちゃう。

可愛いってそんな……そんな軽率に命を生み出そうとするなよ動物じゃないんだから……

ともまぁ思う。

でも熟考の末に子供が欲しいと本気で思うなら作ってもいいんじゃない?とも思う。

別にただ"子供がいるのが当たり前"みたいな感じで子供をつくろうという人についても別に悪いとは思わない。

その他将来自分の面倒を見てくれる可能性にかけて子供をつくるんでも、興味本位で子供をつくるんでも、それが本人達の決断ならまぁいいか、と思うんですよね。

 

ただそれで生まれた子供が私とかより深刻に"生まれたくなんてなかった"と考えるようになって訴えられたり(実際他国でそういう例があったよね?)"どうして私を生んだんだ"と泣き縋られたりすることもあるかもしれないけど。確率的な意味で言えば生まれたくて生まれた、みたいなことをいう人間が生まれてくるかもしれないし。

 

子供が生まれるって言い方は悪いけど本当に"ガチャ"だよなと思う。

別に自分の人生を不幸だとは思わないけれどそもそも"生まれて自我を持ったことが最悪なんだから生まれたくなんてなかった"と考える私みたいなやつが生まれてきちゃうかもしれないし、どんな状況であってもそんなこと全然考えもしない子が生まれてくるかもしれないし。

こういうのって環境やら遺伝やらで左右されそうだけど、シリアルキラーに多い身体的特徴(やその遺伝子)みたいなものがちょっとずつ解析されたりしているくらいだし、遠い将来は"生まれたいと思わない人間"に共通する遺伝子が解明されてデザイナーベビー的に生まれてこなければよかったと思う人間を根絶させられたりするんだろうか。

そうだったらいいよね、その方が皆幸せじゃん……

 

取り敢えず"幸せにすると誓えもしない知的存在を自分の望みでこの世に生み出す"ということが道徳的に正しいと言えるとは私は思わないけれど、だからといって別に反出生主義を声高に唱えようとは思いません。

 

道徳的かとか倫理観とかを割とどうでもいいと思っているので。(パワハラとか殺人とか、"今意識のある人間を他人が害する"という行為はもちろんダメだと思ってる。)

そもそも道徳とか倫理自体が社会が崩壊したら形を変えてしまうだろうし、アンチナタリズムみたいな人類(社会)を衰退させていく概念と相性が悪いかもしれん。

 

 そして私と"世間に対して己の思想を掲げる"ってことの相性は間違いなく良くない。

私は究極のエゴイストなので別に他人がどうなろうとどうでもいいんですよ……

"私は生まれたくなかったが、他の人がどう考えているのかは知らんし、私は道徳的に正しいとは思わないけれど他の人が"子供を生む"という判断をすることは別にどうでもいいし、私も子供を生むという行為には興味がある"

みたいな。寧ろ人生1回しかないんだし、折角自分の肉体についてる機能は全部使ってみたい!みたいな気持ちは理解できる。コンプ厨だから。子供生む人がそんなこと思ってるかは知らんが。

本当に最低だけど"生まれたくなかった私"はもう生まれてしまっているんだし、子供を生むことが1番身近な"不幸の再生産"だとしても"私の不幸"が再生産されるわけじゃないからどうでもいいんだよね…… "不幸"が確定しているわけでもないし。

 

 後私は生まれて来たくなかったし生まれて来た自分を悔いる気持ちはあるけど、親を責めようという気持ちはないんですよね。

なんというか、私が"こう"なのは私のせいなので…… これも前ちょっと書いたけど、私は自分の人生の責任を出来る限り自分に収束させたいと思っている方だというのもあるかもしれない。

 

後以前親に"私は子供なんて欲しくないな、怖いし"みたいなことを言ったら"育てたら育てたで面白いよ"みたいなことを返されたことがあって、私は結構その返答に満足しているんですよね。

これでもし"あなたのために生んで育てたのになんでそんなこと言うの(さすがにこんな意味分かんないこと言う奴はこの世にいないか?)"とか"子供を生み育てることはこの世で1番の幸福だ"とか言われた割と引いたけど。

生んで育ててあなたが面白かったなら良かったね、だし私も自分の親に特段不満は無いから運悪く生まれてきてしまった先がここで良かったな、くらいには思ってる。

 

 だからまぁ、"人生ガチャ"、やりたきゃやったらいいんじゃないのかな、と思っている。

 アンチナタリズムとは別に、私は他人の人生の責任を取りたくないし、放って置いたら死ぬ生き物を世話したくないし、子供が怖いし、精細胞を手に入れる手段も思いつかないし、子供を生み育てる予定はないんですけどね。